南十字に戯れる

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桑田佳祐 LIVE TOUR 2022 名古屋2日目に参加しました


桑田佳祐 LIVE TOUR 2022「お互い元気に頑張りましょう‼」の参加記録?感想?メモ?です。ネタバレしかないです。

 

名古屋2日目に参加。当日は思いつきでナゴヤドームとは正反対に位置する名古屋国際会議場に立ち寄ったり、最寄り駅に着くなり書店に向かったり、着いたら着いたで片山敦夫さんがツイッターに挙げていた写真の場所を特定しようと思ってうろついたり(見つからず)、なんとも集中力に欠けるライブ前だった。

同好者(not同行者)の人波にまぎれるとほどよい高揚感に包まれて楽しげな気分。広い会場のそこかしこでウェイウェイしているファンの光景にアウェイ感を覚えつつも、もはやこれも恒例行事とばかりに楽しんだ。

 

入場。かつてはアリーナ席の実在を疑ってすらいた己のくじ運も、ここ最近は妙に調子が良い。アリーナ1列目の印字に驚いたが、最前列ではなくブロックの1列目ということだった。ドーム規模のライブに慣れてなさすぎる。

そのブロックは10人ほどしかいない区画で、自分の前と右が大通りに面している珍しい席だった。ドーム広しといえどもここまでプライバシーのない席はそうないだろう。開演直前まで、なんなら開演後も眼前を往来する老and若with男feat女をかぶりつきで観察できる珍席であった。

会場に流れるBGMは70s~80sを中心とした邦楽のヒットナンバーで、CSの懐メロチャンネルみたいな選曲だった。そこに自身の作でもある『花咲く旅路』を混ぜてくることでさらに這い寄る混沌。無思想を装った思想が感じられる。

 

開演おまちどうさん。

 

1.こんな僕で良かったら

『東京』と見せかけて『若い広場』と見せかけて『こんな僕で良かったら』。ライブ頻出曲ではあるけど1曲目のイメージは皆無だった。歌いやすい曲で始まる近年のライブの流れを踏襲している意味では合点のいくチョイスでもあり、意外性と納得感を併せ持つ妙手だ。夷撫悶汰レイトショーを彷彿とさせる喜劇的演出。「雨が止み雲が流れ行く」で幕が開けるライブというのも乙。実際は終始曇り空だったけれど、当初の雨予報が持ちこたえたのは良かった。桑田さん、ずっと左側にいてなかなか中央に来ないな…と思っていたけどそこがステージの中央だった。眼前のスクリーンがステージ正面だと思っていたらそれは右のスクリーンで、さらに右にもスクリーンがあるので、私は騙された。

 

2.若い広場

「いつも何処かで」の1曲目。barというよりは歌声喫茶の様相を呈している。M1がしっとり聴かせる曲だった分、pon pon pon…の跳ね具合が心地良く、ようやく体を揺らすことができて楽しい。全体的にやや芝居がかった歌いまわしをしているのは演劇風の演出の名残りなのか。

 

3.炎の聖歌隊[Choir]

ライブの幕がもう一つ上がっていくような感覚。ビッグマウスツアーと同じ入り方で、去年それぞれの事情で参加できなかった人には特に嬉しい演出だったように思う。「大変御足労さん」は物理的な移動に限らず、心理的な距離やご時世的な葛藤を乗り越え、それでも参加することを選んだ一人ひとりに対する労いのような響きがあった。「ようこそここへ」がもたらす祝福に身を委ね、今この瞬間に立ち会えた喜びに満たされる。体験としての強度を確かなものにしてくれる魔法のような曲だなとつくづく思う。この曲で銀テープが飛んだと思うけど、大通りに落ちたテープを周辺のガチ勢が、さながら餌に群がる鯉のように拾いにくる様子にあっけにとられてしまった。曲の最後になんか替え歌っぽい節があった気がするけど、この珍百景が尾を引いてよく覚えていない。まぁこれも含めてのライブ現場だ。

 

4.MERRY X'MAS IN SUMMER

ひとりロッキンでもやってくれたので期待していた。桑田さんの衣装が紅白カラーなもんだからミニスカサンタのダンサーと同じぐらいなじんでいて面白い。夏もクリスマスも遠い晩秋に聴けたのが季節感総取りな感じで楽しかった。ステージの前をサンタとトナカイがうろうろする演出がようやくできて桑田さんも満足だろう。

 

5.可愛いミーナ

こちらもひとりロッキンでもやってくれたのでry ロマンチックエンジン全開の音と歌詞が織りなす世界観に魅了され満足。タバコの煙は今回も目に沁みないか…と思ったらアレンジを挟んで歌い始めたので嬉しいサプライズ。半端なところで止めたのは桑田さんも観客も消化不良だったと思うけど、それでも歌いにくいパートを披露してくれるサービス精神が痛み入る。天晴。

 

6.真夜中のダンディー

高い高いされてキャッキャしてたらいきなり手を離してくる。生で聴く桑田佳祐66歳のシャウトがとてつもなく格好良くて、古式ゆかしい表現で言えばシビれた。アレンジは原曲に忠実で、夢も希望も格子の窓から出ていかなかった。年々増える陽属性の曲が幅を効かせる中、変わらずライブの谷を作ってくれるこの曲の存在の大きさを噛み締めた。降り注ぐ太陽が陰を呼ぶ。

 

7.明日晴れるかな

躁鬱ジェットコースターがなだらかな軌道に差し掛かる。『真夜中のダンディー』の主人公が少しずつ顔を上げていくような。サザンでもソロでも、ライブでの立ち位置が固定化しないよう配置転換する例が最近見られるけど、これも嬉しいサプライズだった。ラストに披露されると否が応でも重さが伴う諸刃なので。千代に八千代に明日の晴天を願うことができる精神性を持ち続け隊[Choir]

 

8.いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)

何処かで披露されるとは思っていたけど、晴天からの雨模様に仕立てるとは。しみじみ良かった。良かった。言葉はいらない。ところでサビの「〜でいっぱい」はこのあと披露される新曲と共通しているんですな。

 

9.愛のささくれ~Nobody loves Me

巧者たちによる円熟のバンドアンサンブルを堪能。このクラプトンライクなリフが気持ちよくて、延々聴いていたい。5年前より遥かに好きな曲になっている。ちょいとそこゆくODYがエロい。しかし今日はタイトルに~(にょろ)が1つだけ付く曲が多い。

 

10.NUMBER WONDA GIRL(恋するワンダ)

ささくれの哀愁と比べてなんと男気溢れる歌詞であることか。久しぶりのアッパーチューンに体が動く動く。前に人がいないのでいくらでも好きに体を動かせるのが今回のライブの最高ポイント。精子(むし)になったつもりで粘膜にきららジャンプしよう。

 

11.燃えよドラゴンズ!

去年のOSAKA LADY BLUES枠ということで了解。淡々と他球団を踏みつけていく歌詞がすごいな。あとで調べたら宮城は球団歌ではなく大漁節だったらしい。去年今年と宮城ライブ以来の選曲が多い気がする。こういう曲を歌っている時の桑田さんは本当に楽しそうだ。

 

12.SMILE~晴れ渡る空のように~

ここから未来をはじめよう。いつだってこの曲は今ここを出発点にしてくれる。ところどころ歌詞がぐだぐだになっていたのが良かった。端正に整えられた近年のライブ映像からはなかなか得られない栄養素。定番化して久しい腕輪が今日一で存在感を放つシンガロングがやはり気持ち良かった。

 

13.鏡

アコースティックコーナー。去年のツアーを踏襲する流れだけど、加齢とともにこういうコーナーも増えていくのだろうか。大歓迎です。かつてこの曲をやった時に手拍子が邪魔でやりにくかったとの御本人談が即座に思い出され、直立不動で聴き入った。サックスのお二人の音の厚みが印象的で、ゆっくり演奏に耳を傾けられる時間でもあった。ハーモニカを吹く桑田さんも良い。「コブラツイスト」のハーモニカは当て振りだけどこっちは生っぽさがある。

 

14.BAN BAN BAN

俺もお前も大五郎も大好きBAN BAN BAN。歌い出しでこみ上げてくるものがあった。緑のライトに照らされながら、緑のTシャツがひしめく客席が緑の風に乗る。サビの繰り返し部分がなかったのはやはりロングブレスの難しさゆえなのか、しかしアコースティックコーナーなのでそこまで気にはならなかった。「君は誰かと波に乗る」がMCの「波乗りの歌は歌わない」の前振りを回収しつつ終盤のあの曲へのバトンパスにもなっている。自分がライブに通うようになった頃からとんとやらなくなった曲なので、ようやくの逢瀬に感慨もひとしお。歌い出しの時の客席の声にならないどよめきも良いスパイスだった。これを聴くために名古屋まで来たと言っても過言ではない。

 

15.BLUE~こんな夜には踊れない

いやこの曲を聴くために名古屋まで来たのかもしれないな。BLUE IN GREENとはこの流れのことを言う。しかも原曲ともかつてのライブアレンジとも違う遊び方で聴かせてくれるので最高。ブルーレイが出たら何度となく見返すであろうパート。2番のサビにオリジナルの歌詞も交えつつ、しかしラスサビできっちり原曲詞に戻るあたりの采配がうまい。下着のダンサーも呼び捨てツアーのスクリーン映像から飛び出してきたような趣向が感じられて良かった。

 

16.なぎさホテル

新曲がたった2曲しかない状態で突入したこのツアー。前半公演時点では音源が出ていないから予習もできないという珍事。そんな中で迎えたこの曲、老境に差し掛かる大人が醸す滋味が味わえる一方で「君のぬくもりでいっぱいだよ」なんて今日日アイドルソングでもなかなか聞かないストレートな言葉が飛び出したりもして、今の桑田さんにしか持ち得ない滋養強壮があった。好きなテイストの曲だし、何度も聴いているうちにもっと好きになるタイプの曲だと思う。

 

17.平和の街

スクリーンにでかでかと表示される歌詞。歌おうシュビドゥバということね、了解。「神様助けてよ」なんて言いつつも根アカな主人公なので悲壮感がなく、ポップな演奏で心も体も跳ねる。『なぎさホテル』と続けて聴くと、さきほどの『真夜中のダンディー』→『明日晴れるかな』のようなカタルシスが生まれてくる。収録順が逆になっているアルバムではまた聴き味が変わりそう。「平和の街」は心の在りようと受け止めた。

 

18.現代東京奇譚

平和じゃない街の曲。スクリーンには残火の太刀を受けたように燃え盛る摩天楼が映し出されている。そんなに燃やさなくても。「恋しくて」を「悲しくて」と歌ったのはこの曲だったか次の『杜鵑草』だったか。主人公と「生まれくる子ども」「母」の三世代が登場する歌詞が広い客層と響き合う。

 

19.ほととぎす[杜鵑草]

ドラムが初めから入っていたり、サビの後半でコーラスが重ねられたり、間奏にもアレンジが入ったりとききどころがとても多かった。「見つめ合った日は帰らず」をダメ押しのように繰り返す歌詞を未練と受け取っていたけど、過去を過去のまま受け止めて前に進むニュアンスにも取ることができる。見つめ合った日は帰らないのだから、振り向かないで未来へ。とはいえ見つめあった日は帰らず…卵が先か鶏が先か。

 

20.Soulコブラツイスト~魂の悶絶

猪木さん聞こえますか?俺達から貴方への鎮魂歌(レクイエム)です。『炎の聖歌隊』と同じくビッグマウスツアーの入り方で、観客も完全に理解っているため早速総立ちになるのが良かった。ビッグマウスツアーの肝となる2曲が去年のそれと同じ入り方で再現されたのは、意図はさておき足を運ぶことができなかった人々への手厚いサービスにもなっている。誰にはばかることもなく踊った踊った。こんな夜しか踊れない。

 

21.悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)

流れるように突入する悲しい気持ち。瞬間的な売上による知名度ではなく、ソロ活動の歩みとともに培ってきた求心力を持った曲であり、桑田さんのレパートリーの中で最も叩き上げで上り詰めた感がある。この曲でも金テープが射出されたと思うけど、2回も飛ぶのは珍しいような。運よく2回とも頭上に降りてきたのでありがたく頂戴した。テープを片手にYeah Yeah Yeahできて嬉しい。しかし例によって餌に群がる鯉が大量発生するイベントagainで、筆舌に尽くしがたい醜悪さだった。客層に起因するのか、ドームクラスのライブの必然なのか。自分が知らないだけで集めるとおもちゃの缶詰がもらえるのかもしれない。「風船で遊んでばっかりでちっともこっちを見ていない」みたいな客席いじりがかつてあったけど、考えてみれば桑田さんは毎度この光景を見せつけられているわけで、なるほど悲しい気持ちとはこのことだったか。完全に理解した。

 

22.ヨシ子さん

ヨシ子さんのキーホルダー(がらくたツアーのガチャ)を付けてきた甲斐があった。ブルーノートやひとりロッキンで聴き馴染んだライブアレンジを生で聴くことができ最高。桑田さんが両脇にこびとずかんみたいなスタンドを発現させていた。あれもヨシ子さんの一形態なのかもしれない。フンガフンガのところで名古屋名物を連呼していた気がする。名古屋はご当地飯が豊富だからネタに困らなさそう。

 

23.真赤な太陽〜波乗りジョニー

波乗りを歌ばっかり歌うおじさんを腐すひばりちゃん。ジョニーに類する曲がジョニー意外にないからやらない選択肢はないのだろう。桑田さんの美空ひばりはモノマネ度が高くて、AAA98 オールリクエストショーの『愛の讃歌』を思い出した。ひとりロッキンの時は気づかなかったけど「恋の季節なの」→「恋の季節がやってくる」の繋がりだったのか。こういう文脈が見えるとすぐ好きになってしまう。去年も『愛の奇跡』を助走に使っていたけど、アッパーチューンで畳み掛ける本編終盤でこういうずらし方をするのは珍しい。ブルーコメッツを背にして歌う様はとびきり豪華なカラオケ(本人映像付き)の様相で、ひばりおじいちゃんも楽しそうだった。しかし発声禁止のルール下にあって桑田さんはやたら客席に話を振る。『波乗りジョニー』ではマリリンモンローを意識しているのか、金髪に白ビキニのダンサーが健康的な肢体を元気いっぱいに動かしていて良かった。マンピーのダンサーはふざけて欲しいけどこの曲はやはり正統派ダンサーが似合う。例によって動きやすい席なので、大きな手振りで踊った踊った。

 

EN1.ROCK AND ROLL HERO

待ち時間にアンコール3連単を『ダーリン』『ROCK AND ROLL HERO』『祭りのあと』で予想したけど、まぁそんなこともなかった。アイロニー全開の歌詞をup upなテンポで乗りこなす身体的喜びはこの曲でしか味わえない体験。聴くのが久しぶりだったから今までどういう所作で乗っていたか忘れたけど、何も考えず音に身を委ねるのがやはり正解と思われた。スクリーンの映像がヨシ子さんと似ていた。

 

EN2.銀河の星屑

波乗りジョニー』よりも盛り上がったな!?バイオリンがいないので今回はシンセとギターがあの印象的なリフを奏でてくれる。純粋なロックテイストが感じられて新鮮だった。今まで聴いた中でもベストといって差し支えない逸品。夢の終わりを間近に感じつつ、悔いの残らぬよう全身で楽しんだ。隣の女性がイントロで大きめの悲鳴を上げたあと手で口を覆っていたのが強く記憶に残る。

 

EN3.白い恋人達

歌ってくれてありがとう。また聴くことができて嬉しい。それしかない。今の桑田さんが満足のいくようなパフォーマンスで歌うには難所の多い曲だと思うけど、特に危うげな箇所もなく歌い終わられたのですごかった。ただただ感謝と敬意を拍手に変えて伝えることしかできない。『可愛いミーナ』も『真夜中のダンディー』も『BAN BAN BAN』も一部カットするけど、この曲には一切の妥協を許さない、確かな意志を感じた。あの大サビにしか持ち得ない聖性がある。このあたりから帰宅者が目立ち始め、眼前の大通りを老と若と男と女が横切ってゆく。それはさながらエンドロールのような光景。小さい女の子が両手を左右にゆらゆらさせながら帰って行ったのがすごく良かった。自分はというと、この曲は棒立ちで聴くのが一番しっくりくるので今回も直立不動で聴き入った。

 

EN4.100万年の幸せ‼︎

この曲を予想できた人はいるのだろうか。10年前のゴールデンボンバー演出を再演する点も含めて意表を突かれた。せめて100万年ほどは幸せでいようよ。今回のライブは全体的に社会や世の中への目配せのような要素がなくて、MCでもスクリーン演出でも歌詞改変でも直接的に触れない代わりに、曲そのものが持つメッセージをストレートに届けたい意図が働いていたように思う。(『ROCK AND ROLL HERO』の替え歌がなかったのには驚いた)その目論見を思えばこの曲で締めるのはあまりにも綺麗。曲の温度的にもタイアップ的にも、一連のセットリストのトリを務めるにふさわしいエンディングテーマだった。終演のBGMが『時代遅れのRock’n’Roll Band』なのもうまく嵌っていた気がする。眼前を横切る有象と無象がいよいよ群を成し始めたのは仕方ないとして(ライブはいつ来ていつ帰っても良い)、曲中にもかかわらずスタッフが大声で誘導し始めるのはちょっとノイズだった。この席でしか味わえない体験がたくさんあって本当に面白い。今回取りこぼした部分は別公演で拾えればそれで良し子さん。ということで帰宅後、締め切り5分前に横浜アリーナ追加公演のチケットを申し込むのであった。

 

終演。桑田さんは別れを惜しむ客席へのサービスとばかりに長めのお別れをしてくれる。死ぬなよー!もダー!も飛び出してもう言うことなし。次は横浜で逢いましょう。その日までのしばしのお別れの言葉、たった一言の「お元気で」。

 

以下雑感。

「いつも何処かで」収録曲がビッグマウスツアーの曲を多く排除していたことからも明らかなように、セットリストもアルバム収録曲=ビッグマウスでやらなかった曲が多かった印象。この2年のツアーを合わせて今の桑田佳祐を体験できるひとつのパッケージのような趣向を感じた。サザンのオンラインライブ×2はA面B面のような関係だったけれど、今回は両A面か。

 

「歌いたい曲しか歌わない」近年の桑田さんのモードはそのままに、拾える範囲を広げたことで久しぶりの曲が多く登場したイメージ。全体的にダークな曲や尖った曲は(案の定)少なくて、ツアー名やロゴから受ける丸い印象そのままのライブだった。暖かい曲が多かった。愛と平和を歌う世代が表舞台から消えつつある今、桑田さん自身がその役割を一身に引き受けつつある。

 

あとから知ったところによると『明日へのマーチ』は宮城でもやらなかったという。そんな日が来るとは思わなかったので驚き。「もう歌わなくても大丈夫」ではなく「歌わんでももう伝わるやろ」ということか。

 

片山さんがTwitterにアップされていた画像でネタバレ疑惑があった『ダーリン』は不発で、冤罪かと思われたが宮城2日目ではやったらしい。罪滅ぼしとしてロッキンで予定されていたセトリをアップするのが良いと思います。今回のアンコール曲はどの公演も全部最高だから悔いはなし。

 

桑田さんの曲やパフォーマンスは万人の深く沈んだ心を救うことはできないかも知れないけど、俯く大勢の顔を少し上に向かせることのできる魔法のようなものがあって、これまで以上にそれを強く感じたライブだった。楽しかったです。